平成女児の遊びが令和に再び脚光を浴びる
「シール交換」と聞くと、懐かしいと感じる人も多いはずです。
平成の女子小学生にとって、シール交換は定番の遊びでした。
文房具店で買ったシールをシール帳に貼り、友達と交換する。
この体験が「自分だけのコレクションを作る楽しさ」を支えていました。
令和になった今、Z世代が同じ遊びを新しい形で楽しんでいます。
SNSに投稿されるシール交換の動画や写真は、懐かしむ世代と新鮮に感じる世代の両方を魅了しているのです。
デジタル全盛の時代にシールが愛される理由
スマホやゲームがあふれる今でも、なぜシール交換が支持されるのでしょうか。
理由のひとつは「手触り感」です。
紙やフィルムの質感、貼る瞬間の感覚はデジタルでは再現できません。
さらに「交換の瞬間を共有する楽しさ」も大きな魅力です。
同じものを持ち寄り「これと交換しよう」と話し合う行為は、友情を形にする体験になります。
SNSにアップされると、そのローカルな楽しみが外へ広がります。
「今も昔も変わらない友情の証」として、多くの共感を集めているのです。
SNSでの広がり方

シール交換は、SNSで二つの形に広がっています。
まずは「懐かしコンテンツ」として。
平成を知る世代は「また流行ってるの?」と反応し、ノスタルジーを感じています。
もうひとつは「新しい遊び」として。
Z世代には、レトロで新鮮なカルチャーとして受け止められています。
TikTokでは、交換の様子を映したショート動画やコレクション紹介が増加中です。
Instagramでも、シール帳の写真や「今日の交換戦利品」といった投稿が拡散されています。
Z世代に響く理由

Z世代がシール交換に魅力を感じるのは、単なる“遊び”だからではありません。
友達との交換は、LINEやDMよりも濃密なコミュニケーションです。
その場で笑い合いながら交換する体験は、デジタルだけでは味わえません。
またシール自体が小さなアート作品のようで、自分の個性を表現する手段になります。
「かわいい」「推し活」「レトロ感」など、Z世代が好む要素が詰まっているのです。
ブランドやクリエイターが注目するワケ
令和のシール交換ブームは、企業やクリエイターにも大きなチャンスです。
オリジナルシールを制作して配布したり、限定デザインを商品化したりすれば自然な拡散を狙えます。
さらに、ARを組み合わせた「特別演出付きシール」など、新しい展開も可能です。
シール交換は「思わずシェアしたくなる文化」。
Z世代に向けたプロモーション手段としても注目されています。
注意点とこれから

人気が高まる一方で、課題も存在します。
著作権を侵害するデザインや無断使用のキャラクターはトラブルを招く恐れがあります。
また、過度な買い集めによる消費や廃棄も問題です。
環境意識の高いZ世代にはネガティブに映ることがあります。
とはいえ、シール交換の魅力はシンプルです。
「小さな紙切れを通してつながる」という原点は変わりません。
令和の時代に再び広がるこの文化は、これからも友情を彩り続けるでしょう。
ライター:アヤノ・モカ
BuzzScopeのカルチャーライター。子どものころからの遊び文化が、今のSNSでどう変化しているかを追いかけ、Z世代にわかりやすく伝えることを得意とする。
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