「自分のため」が、共感を呼ぶ時代
最近のSNSを眺めていると、何気なく撮った写真や、ただの“日記っぽい”ポストが意外とバズっていたりします。
たとえば、フィルム風に加工した夕暮れの写真や、「今日はカフェでボーッとしてただけ☕」みたいな投稿。
これって別に、誰かを驚かせようとか、笑わせようとか、映えさせようとか、していないんですよね。
でも、それがいい。むしろ“他人の目を気にしていない感じ”が、いまZ世代の心をつかんでいるんです。
“がんばってない感”がウケる理由
TikTokでもInstagramでも、「あ、この人、自然体でいいな」と思える投稿のほうが、結果的にバズりやすかったりします。
本気でキメてる動画よりも、スッピン&部屋着で踊ってるゆるい動画の方が、コメント欄がにぎわってたり。
つまり今は、がんばってない風の“力の抜けた投稿”が、逆に支持される時代。
この“がんばってない感”は、見ている側に「この人、リアルかも」「気取ってなくていいな」って安心感を与えるんです。
“他人ウケ”の時代から“自己ウケ”の時代へ
ひと昔前までは「どう見られるか」が最優先だったSNS。
でも今は、「どう感じたか」「自分が納得してるか」が優先されるようになってきました。
Z世代の多くは、もう“いいね至上主義”に疲れているし、SNSのなかでまで「他人の評価」に縛られたくないと思っています。
だからこそ、自分の気持ちや日常をそのまま投稿してる人を見ると、「私もそうでいいんだ」って安心できるし、共感して拡散したくなるんです。
「自分ウケ」は、じわじわバズる
おもしろいのは、こういう“自己満”投稿って、一気に伸びるというより、じわじわ共感が広がっていくところ。
派手じゃないけど、リールやストーリーで何度も見返したくなる。そんな“スルメ系バズ”になりやすいんです。
しかも、無理してテンションを上げたり演出したりしていない分、投稿を続けやすいのもポイント。
見ている人にも、「続きが気になる」「この人の感性、好き」と思わせる力があります。
「自分の好き」を出せる人が、最強
結局、“自分ウケ”ができる人って、自分の感覚に正直でいられる人なんですよね。
他人の目よりも、「自分はこれが好き」「この瞬間を残したい」っていう気持ちで動ける人。
そういう人の発信は、つくり物じゃない分、刺さる。
むしろ、その人の感性がにじみ出てるからこそ、見てる側の想像力が刺激されるし、世界観に引き込まれてしまうんです。
おわりに:バズる理由は“他人”じゃなく“自分”の中にある
SNSは、自分を飾らずに発信できる場。
今のZ世代にとって、他人に認められることよりも、「自分がいいと思えるかどうか」が大事な基準になっています。
「誰かにウケよう」と思って無理してバズを狙うより、
「自分がウケればOK」くらいのスタンスの方が、実は自然に人を惹きつけるのかもしれません。
バズの鍵は、あなたの“自己満”の中にあるのかも。
ライター:ミレイ・キタノ
“バズの深層心理”を読み解く、SNS文化ライター。
Z世代の「無意識のクセ」や「共感のツボ」に注目し、InstagramやTikTokで広がるトレンドを独自に分析。大学では社会心理学を学びながら、個人の趣味でSNS観察を続けてきた。BuzzScopeでは、保存・エンゲージメント・世界観設計など、バズの裏側を丁寧にひもとく記事を担当。最近の推しは“無音ASMR”。